ローソク足の表示領域を大まかに示す「チャネル系指標」の中で最も新しく、そして最も斬新なのがジョン・ボリンジャーの考案したボリンジャーバンドです。

ボリンジャーバンドは、移動平均線とボラティリティを基にした、極めて統計学的に合理性のあるテクニカル分析ツールとして知られています。

ボリンジャーバンドは標準偏差を利用した指標

ボリンジャーバンドを表示させると、移動平均線とローソク足全体を包むかのようなバンドが出てきます。(下のチャートは21期間の移動平均線と2標準偏差のボリンジャーバンド。)

このバンドは、移動平均線と同じ期間のデータの標準偏差(σ)を算出し、そのσ分を移動平均線から加減して表示しています。
こうすることで、これからローソク足がどのあたりまで動くかが確率的にわかるのです。

市場の値動きが、標準分布であると仮定すると、
ボリンジャーバンドの±1σの範囲内にレートが収まる確率は68.3%
ボリンジャーバンドの±2σの範囲内にレートが収まる確率は95.4%
ボリンジャーバンドの±3σの範囲内にレートが収まる確率は99.7%
となります。

ボリンジャーバンドは逆張りに使えるか

ボリンジャーバンドの±2σにレートが到達したら、95.4%の割合で反転するということならば、ローソク足が±2σまで進んできたら逆張りすれば簡単に勝てそうです。
また、そうすることを推奨する初心者向けの本もよくあります。

しかし、そんなことをやって勝てるほど相場は甘くありません。
上にボリンジャーバンド内におけるレートの確率範囲を書きましたが、それはあくまでも市場の動きが「標準分布」であるという仮定の場合のお話です。

実際の市場の値動きは綺麗な標準分布を描きません。
裾幅の広がる「ファットテール」とういう現象の多く見られるベキ分布であると言われています。

実際にチャートを見ると±2σの範囲外をレートが進むことはよくありますし、時には±3σ外を出ることもあります。

以上のことから、ボリンジャーバンドを安易に逆張り指標として使うのは危険です。
考案者のジョン・ボリンジャーも逆張りではなく順張りに利用すること推奨しています。

ボリンジャーバンドの特徴

ボリンジャーバンドは、標準偏差を用いて確率範囲を示す画期的な指標です。
ここでは、ボリンジャーバンドの特徴をまとめました。

ボリンジャーバンドはボラティリティを示す

ボリンジャーバンドは相場の変動によって幅が広くなったり狭くなったりします。
特にレートが一気に進むトレンドが発生するとバンドは急に広くなりますし、レンジ相場が続くとバンドは細くなっていきます。

このようにボリンジャーバンドは相場のボラティリティを反映しながら、バンドの拡大と縮小をしていきます。

特にバンドが縮小しきってしばらくそのまま推移した後は、急激にバンドが広がってトレンドが発生するバンドブレイクという現象がよく発生します。
もちろんダマシに終わることもありますが、このブレイクからバンドウォークに繋がって大きなトレンドとなることもあります。

バンドウォークがある

相場にトレンドが発生するときに見られるのが下のチャートの様なバンドウォークです。

これは、ボリンジャーバンドに沿ってローソク足が動いていく値動きです。
ボリンジャーバンドのシグナルとしては、±2σにレートが来たら逆張りというのが一般的に知られていますが、実は考案者のジョン・ボリンジャーはこのバンドウォークを狙うためにボリンジャーバンドを利用することを推奨しています。

つまり、逆張りに使うのではなく順張りとして使うべきである指標なのです。

レートがどの範囲にあるかでトレンドの強弱がわかる

ボリンジャーバンドに2σだけでなく、1σと3σも一緒に表示させると、今現在のレートが、どの辺りにあるのかがより詳しくわかります。

例えば、殆ど値動きの無い状態が続く「スクイーズ」から一気にブレイクして来た時に、ローソク足がバンドの±3σよりも外にあれば、「異常事態」が発生しており、バンドを押し広げていくほどの勢いがあると解釈できます。

また、ブレイクアウトした後にトレンドが続いても、段々と勢いは弱まってきます。この勢いの減衰は、ローソク足がバンドのどのあたりにあるのかを見ることで判断することができます。

下のチャートでは、スクイーズから下に-3σを割ってブレイクして順調にレートを下げていく一方で、段々とローソク足の位置が、バンドの-3σよりも外側から ミドルバンドに近づいて行っているのがわかるかと思います。

これらの位置関係を見ることで、相場のトレンドがどの状態にあるのかを判別することができます。

ボリンジャーバンド%Bとの組み合わせ

ボリンジャーバンドは単体だけでもかなり有用な指標ですが、このボリンジャーバンドから派生した「派生指標」というものがあります。
ここでは、その中で最も有名なボリンジャーバンド%Bをご紹介します。

ボリンジャーバンド%Bとは、ボリンジャーバンドと価格の位置関係をより詳しく示す指標です。
これは、ローソク足チャートの下に表示させるオシレーターの一種です。 下のチャートをご覧下さい

このチャートではボリンジャーバンドとボリンジャーバンド%Bのパラーメーターを21期間、2σに設定しています。

この場合、ローソク足がボリンジャーバンドの+2σを超えれば%Bの値は1.0を超え、-2σを下回れば%Bは0を割ります。また、ミドルバンドであるMA21にレートがある時は%Bは0.5を示します。

上のチャートの右側のように、下向きのバンドウォークが発生すると、%Bは0付近を推移し続け、逆に上昇のバンドウォークの場合は1.0付近を推移することになります。

このようにボリンジャーバンド%Bは、現在のレートがバンドのどの辺りにあるのかを より客観的に見ることのできる指標です。

ダイバージェンスも確認出来る

オシレーター系の指標で注目されやすい「ダイバージェンス」が%Bでも観察されます。
ダイバージェンスとは、価格の動きとオシレーターの動きが乖離する時に価格が反転することがあるというものです。

具体的には下のようなチャートです。

このチャート中央部分では上昇トレンドによるバンドウォークが進んでいます。
ローソク足の推移を見ると、確かにレートそのものは上昇していますが、ボリンジャーバンドとローソク足の位置とを比較してみてみると、トレンド初期では+2σを大きく超え ているのに対して頂点付近では+2σを少ししか超えていません。

これをボリンジャーバンドだけで見ると少しわかりにくいですが、%Bを表示させると一目瞭然です。
ローソク足チャートの部分と%Bの部分ではダイバージェンスが生じています。

このような状態の時は、相場が反転するか、もしくは一旦レンジになることが多いため、トレンドフォローでポジションを持っている場合は一度利益を確定するといいポイントです。

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